生成AIセミナーに参加してきました

税理士 森田俊哉

2025/07/12 01:36

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 2025年7月10日、iDoor社主催の士業向け生成AIセミナーであるiAC CONFERENCE 2025に参加してきた。
 最近私も業務に生成AIを使い始めたが、せいぜい紙で送られてきた資料をcsvにしているくらいで、活用しているとは言い難い。
 更に活用するための知見を得に、有休を取って五反田まで足を運んだ次第である。
 
 内容の詳細は書かないでおくが、生成AIの機能それ自体というよりも寧ろそれをどう活かすかについて得るものが多かった。
 生成AIにできることとできないことは概ね私の認識どおりだったし、私が煩わしく感じていたプロンプトを書く作業がやはり煩わしいものであり、かつ、最も重要な作業であることなど、改めて指摘されることで再認識した。
 それにプロンプトが既に用意されているiDoor社の製品がいかに魅力的かも分かった。
 そしてそういった生成AIの可能性と限界を認識することで、日頃の業務効率化のためには寧ろRPAの方が重要であることも理解した。
 RPAは私も昔PowerAutomateを触ったことがあるが定期的に作動するようにしたフローが作動しなくなったり自分のやりたいことをまるで実現できなくて結局放棄した。
 もう一度触ってみるべきだとは思いつつもわざわざ有料プランを契約したくはないし、PowerAutomateには良いイメージが無いしで、うーん、悩む。
 
 ただ、これまでは生成AIには紙に印刷された表をそのままcsvに吐かせる程度で、それを会計ソフトに取り込める形式に加工するのは自分でやっていたのだが、スクリプトをゴリゴリに書いて取込形式で直接吐かせるくらいはやっても良いように思えてきた。
 これまで「お前が『手当代』と認識した字は『弁当代』だからな。福利厚生費で軽減8%だぞ」くらいのことは教えて訂正させてきたので、そういうことも全て学習させればほぼ修正する必要のないcsvを吐き出してくれるのではなかろうか。
 正直、生成AIがそういう個別な注意事項を学習してくれるのかどうかもよく分かっていないのだが、多分できそうなので今度本人に聞いてみよう。
 
 私が勤めている事務所は今年になって私の働きかけによってようやく事務所のメールアドレスができたほど絶望的にアナログで、代表にそれを改善しようという意志もない(願望くらいはあるようだが)ので、会社の経費で生成AIの有料プランを契約してはくれそうにない。
 無料プランだと色々不便は付き纏うが、Geminiのflashなら(多分)無尽蔵に紙資料を読み込んでくれるので、無料のままでもやっていけるだろうか。
 利便性が高ければ個人的に有料プランに入ってもいいし、それにそのうち私の業務効率が異常なほどに上がって事務所として生成AIを契約しようという動きになるかもしれない。その前に独立する方が早そうだけど。
 
 しかしまあ、私のように初心者の使い方をするだけでも生成AIの利便性はよく分かる。
 巧遅拙速な部下を持ったようなもので、多少間違いはあるがこれだけ早く仕上げてくれたなら仕上げは自分でやるかという気にさせてくれる。
 AIに仕事を奪われるという話はよく言われるが、人間1人がこなせる仕事量が増えることで従来よりも必要な人員が少なくなるという点では間違いではないのだろう。
 ただ、働き手不足が加速していくこれからの時代、これは寧ろ必要な人員削減だろう。
 電卓が開発されコンピュータが開発され…という技術革新があった毎に業務効率が向上していった歴史があり、今回もその例に漏れないということだ。
 結局、手法が変わるだけで人間が職を失うようなことはないのだろう。
 代わりに今後はAIを使いこなせる人が評価されるし、そういう税理士や社労士が生き残っていくのだろう。この辺りも今日のセミナーで話があった。
 
 それはそれとして、セミナーが終わった時にはまさかの豪雨だったのも今後思い出に残るだろう。
 会場と駅がほぼ隣だったのであまり濡れることはなかったのだが、品川-新横浜間の東海道新幹線が止まってしまった。
 それならばと品川から新横浜まで在来線で移動したが、私が新横浜に着く頃には運転再開したらしく、品川から大量の人を乗せたこだまがやってきた。
 結果論としては品川で待っていればよかったのだが、いつ運転再開するか分からなかったので移動したこと自体は間違いではない。
 それにこうしてその時々の交通状況に応じて路線を選ぶのは学生時代を想起してなかなか楽しかった。
 家の窓を全開にして行ってしまったが、幸い静岡は小雨だったようで全く濡れていなかった。
 
 総じて、将来への展望を得ることができ、こういったイベントに参加するのも大学時代にLEDの展示会に参加して以来だと思うので、非常に楽しい時間を過ごすことができた。
 そして、他の参加者が生成AIに強い興味を持っていることにも驚かされた。
 よくよく考えたらこれに参加している時点で興味があるということなので当然と言えば当然だが、登壇者が「〇〇使っている方います?」などと生成AIの名前を言うたびに結構な数の手が挙がったことには驚かされた。
 少なくとも今回参加した約250人は生成AIに興味を持っており、私もこの潮流に乗らなければならないのだ。
 そんな発破をかけられた思いのする一日だった。

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